サイエンス・イデア便り№139(2018年3月)
今月のテーマ:細胞について
厳しかった寒さも去り、春を感じることの多い気候となりました。春の訪れと共に年度末となり、卒業、進学、進級と新たな生活への準備も始まる時期ですね。
あまり、ありがたくない花粉もたっぷり飛んでいるようで、花粉症の方にはつらい季節でもありますね。
今月のテーマは細胞です。私たちの体だけでなく、生物全ての体を形作っている最小の単位です。その細胞について、少し知ることを試みました。
細胞の小ささ、あるいはその中にある遺伝子のことに少し興味を覚えることはできたでしょうか。
桜が咲くには
少し暖かくなってくると、桜の開花予測が発表されます。今年は開花がかなりはやかったですね。桜は春の象徴ですね。
そんな桜ですが、春になったら、暖かくなったら咲くと思っていましたが、先日、気になって桜の開花のしくみを調べてみたら、少しびっくりしました。まず、桜の花芽ですが、これは前年の夏に形成されます。ただ、それ以上、成長することはなく、その後「休眠」状態になります。この花芽が秋から冬の間、一定期間、低温状態にさらされることで、眠りからさめ、開花の準備を始めます。これを「休眠打破」といいます。桜の開花にとってこの休眠打破は重要なポイントです。そして春を迎え、気温の上昇と共に花芽は成長します。気温の上昇と共に花芽の生成もピークとなり、「開花」することになります。
このように、桜の花芽の「休眠」「休眠打破」「生成」「開花」には秋から冬、冬から春の気温変化が大きく関係しています。
桜は常夏の国ではあまり美しく咲かないそうです。桜は四季のある日本にふさわしい植物なのです。
冬の寒さはあまりありがたくないことが多く、敬遠されがちですが、桜が美しく咲くには不可欠であると知ると、寒さの感じ方も少し変わってくるのではないでしょうか。
振り返って、私たちはどうでしょうか。寒さ(厳しさ)に出会って「休眠打破」になるでしょうか。むしろ、寒いからといってより深く布団に潜り込んで出てこないということになりがちです。
今年のお花見は、寒さ(厳しさ)に出会ったときから、そこを打破する準備を始める、そんな過ごし方を桜から学んでみませんか。
来月のプログラムについて
4月のテーマは「バランスを考える」です。
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